AI/IoTによる工事現場自動検出システム
アプトポッドは、エッジコンピュータシステム「EDGEPLANT T1」と高速IoTプラットフォーム「intdash」の導入により、AI工事現場自動認識システムを構築しました。
大阪ガスネットワーク株式会社様(大阪ガスネットワーク)は、大阪シティバス株式会社様(大阪シティバス)の路線バスを用いて、当AI工事現場自動認識システムを活用したガス管パトロール業務を行っています。
道路工事者が道路を掘削する際に大阪ガスネットワークに連絡なく工事が行われ、埋設されているガス管が破損されるケースがあります。そのため、大阪ガスネットワークでは中圧ガス管が埋設されている道路においては、毎日パトロール車が所定のルートを1日かけて工事箇所のチェックを実施していますが、巡回時間外の工事を見つけられないなどの課題があります。 こうしたパトロール巡回の課題を解決するために、一部の巡回対象ルートを終日繰り返し走行する大阪シティバスの路線バスを活用したAIによる自動工事現場検知システムを構築しました。
本システムでは intdash のクラウド環境を用いて工事現場検出用のAIモデルと判定ロジックを大阪ガスネットワークが独自に開発。路線バスに搭載するカメラとAIモデルを稼働する車載エッジコンピュータ EDGEPLANT T1 により、走行中の道路撮像画像から工事現場要素を検出します。検出された工事現場要素は画像と位置情報と共にintdashクラウドにモバイル回線を通じてリアルタイム伝送されます。これにより、クラウドの工事現場判定ロジックと組みあわせることで、リアルタイムに工事現場の位置を把握することができ、広域での工事箇所のリアルタイム自動監視を実現します。
大阪ガスネットワークが従来実施していた巡回パトロールではパトロール車輌の台数や走行範囲に限りがあったため、巡回時間外に工事が行われていた場合は発見が困難でした。本システムを対象路線で運行する複数の路線バスに搭載することにより、運行ダイヤに準じて対象路線を終日繰り返し確認することができ、広域なパトロールをリアルタイムに行うことが可能となります。
大阪ガスネットワークでは、2021年5月から実施している試験運用の結果を踏まえて、2021年12月から本格運用を開始しています。また、大阪ガスネットワークの供給エリア内での運用拡大を目指し、他の路線バス運営会社様とも協業することで対象エリアを拡大していく予定です。アプトポッドでは本プロジェクトの安定稼働と拡張に引き続き寄与してまいります。
大阪ガスネットワーク株式会社様の技術紹介ページ
工事現場を自動認識する路線バス搭載AIカメラ